熱血店長ブログ

熱血店長の成長日記

モチベーションを数値化した男

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ビジネス思想家・偉人伝・No.2

「ビクター・ヴルーム」です。

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「仕事とモチベーション」や「リーダーシップと意思決定」などの作者名で、組織における人間の行動心理学の第1者として知られています。

今回は、人のモチベーションを方程式で数値化し、それによりモチベーションを理論的に学べたものをまとめました。

《期待理論》

ビクター・ヴルームは、「仕事とモチベーション」の中で、モチベーションの問題点は、「反応の仕方が自由に選択出来る中で、人はなぜその反応の仕方を選択するのかを理解すること」であると定義しています。
反応の仕方の選択がどのように行われているのかを理解するために、「誘意性」・「期待」・「モチベーションなの力」という3つの概念を定義しました。
取れる行動が複数あって、それぞれ違う結果が予想される場合、人が行動を決定するときに、これら3つがどのように作用するのかを説明しています。

《誘意性》

「誘意性とは、他の結果よりもある結果が望ましいことである。」と説明しています。
人がある結果を達成しないよりも達成する方がいいと思えば、その結果はプラスの誘意性を持つと言われ、逆に達成しない方がいいと思えば、その結果はマイナスの誘意性を持つことになり、どちらでもよいと思えば誘意性はゼロとなります。
ヴルームによれば、結果の誘意性は、当人の持つ価値に直接関係すると言います。

例えば、あるマネージャーが昇進を望んでいて、プロジェクトが成功すれば昇進出来ると考えていたら、そのマネージャーにとってそのプロジェクトの遂行は、プラスの誘意性を持ち、その報いに対して感じる魅力がモチベーションとなります。

《期待》

人間の行動はある結果をどの程度望んでいるのかだけでなく、どのくらいの確率で起こるかにも影響を受けると考えました。
ヴルームは期待を、
「ある行動がその結果を生む可能性について、その時点での認識」と定義しました。
期待は、ゼロ・(その行動からその結果は生まれないだろうという認識)、
1・(その行動からその結果は確実に生まれるだろうという認識)
この範囲の値をとると考えています。
例えば、ある人がコーヒーを飲みたいと思い、コーヒーメーカーがある場所を知っていれば、それはまっすぐコーヒーメーカーに向かうだろう。その行動はコーヒーを入手することに関して期待が高い。
逆に、コーヒーなどないと知っている郵便局に向かうとすると、その行動は期待が低いということになります。

《モチベーションの力》

ヴルームはモチベーションの力には、方向性と強さがあると論じています。
「誘意性」と「期待」を掛け合わせた値が、その行動が持つ仮想上のモチベーションの力が算出され、
最高レベルのモチベーションの力は、「誘意性」と「期待」の両方が高い場合、その行動へ結びつくモチベーションの力は高いレベルになります。
「誘意性」か「期待」のどちらかがゼロであれば、ゼロに何を掛けてもゼロなので、その行動へ結びつくモチベーションの力はゼロということになります。

 

ヴルームのモデルは、次の方程式で要約しています。

M=E×V

M(motivational force)=モチベーションの力

E(expectancy)=期待

V(valence)=誘意性

 

ヴルームの理論を実践するためには、個人の期待や誘意性をアンケートなどで点数化し掛け算をします。
ある行動をした際にもたらせれる点数の値を合計すると、その選択肢の期待価値(EV)がはじき出されます。
期待価値(EV)が最も高いものが、個人が選択する可能性が最も高い行動であると予想されます。

 

マネージャーにとって一番重要なことは、モチベーションは報酬と密接に結びついているため、高い結果を出すには、部下にとって最も価値のあるものを報酬とするように努めるために、それが何なのかを見極めることが必要となります。

 

このモデルは標準モデルであり、個別説明モデルではなく、人がどのようにしてその行動を選択するのかを予測するもので、実際にどのような行動を選択するかを知るものではないとしています。
実際には、可能性のある選択肢や結果に関して十分な情報をもち、取るべき行動について判断出来る人は少ないと論じています。

《まとめ》

人のモチベーションを方程式にし、点数するということに大変興味を持ち、解説させて頂きました。
感情論や感覚ではなく、数値化して論理的に考えると、すごく面白いと感じられました。