熱血店長ブログ

熱血店長の成長日記

「伝統的なビジネスモデルが役に立たなくなった」と唱えた男

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ビジネス思想家・偉人伝・No.4

 

スマトラ・ゴシャール」


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ゼネラルモーターズに象徴される伝統的なビジネスモデルは役に立たなくなった」

を唱えた人物です。

 

従来のコスト削減や品質・効率の改善に固執するのではなく、価値の創造に感心を向けるべきであるという。

現代の考え方の道筋を作った男です。

 

「トラディショナル経営」

 

ゴシャールは、9つの多国籍企業の250人以上のマネージャーに、企業が複雑な国際競争やグローバル化にどのように対応しているのかを質問しました。そして、多様化が進み変化が加速していくなかで、対応や生き残り策に苦戦し、なかなか成功を出来ていない企業が多いことに気がつきました。

そして、3つの特徴的タイプがあることを発見しました。

 

1.マルチナショナル型
2.グローバル型
3.インターナショナル型

 

 

1.マルチナショナル型

フィリップスやユニリーバなど、分権的に経営されている現地子会社の集合体で、中央にいるキーマンが行うコントロールによって、1つに結びつける企業。

 

2.グローバル型

フォードや松下など、集中的大量生産によるスケールメリットと、新市場への販売チャンネルの獲得を目指す企業。

 

3.インターナショナル型

技術開発重視で、知識と専門的能力を後進地域に移転する企業。

 

そしてゴシャールは、4つ目のタイプが必要だと結論づけました。

 

4.トランスナショナル

 

1~3のタイプの要素をすべて兼ね備え、更に現地拠点を中央の出向機関とするのではなく、ビジネスチャンスをつかむ重要な武器として、現地のノウハウ利用するものであるとしました。

 

なぜかつてのビジネスモデルが役に立たなくなったのか?

 

ゴシャールは、他社が何十年も模倣したGMの事例、3つのSを検証しました。

 

・Strategy(戦略)
・Structure(組織)
・System(システム)

 

トップの人間が戦略を立て、それを展開するための組織をつくり、戦略を運用するためのシステムを作りました。

フォードの組み立てラインの作業者は交換可能な部品とみなされ、ITTは「揺るぎない事実」を確認しあうことで、不測の事態が起こらないようにしました。

長年にわたり、このシステムはうまくいっていましたが、1980年代ごろから行き詰まりを見せ始めました。

この頃になると、一夜にして競争相手が出現したり、技術革新が進んだりするようになり、それまでの管理手法では反応が鈍く、場合によっては企業の存続を脅かせれるようになりました。

そして、マイケル・ポーターの、

「企業は競争相手を制する策を持たなければいけない。相手以上のコスト削減や品質向上で相手の価値をなくすか、相手企業を買収するか」

という研究を、批判しました。

ポーターは、

「決まったパイからできるだけ大きなシェアを獲得しようとうい静的な思想」であり、

ゴシャールは、

「企業とは価値を取り込むために存在するのではなく、価値を創造するために存在しているのだ」

と、唱えました。

 

そして現代の主要企業は、3つのPが核として形成されているとしました。

 

・Purpose(目的)
・Process(プロセス)
・People(人)

 

ゴシャールは、

「ゴシャールのリーダーシップ」

のなかで、マネージャーは目的を設定する立場として、部下に志と組織の価値観を浸透させ、個人の仕事への意味付けを与えると唱えました。

全員のゴールを設定し、共通の意識をもつ組織を作ることが有効であるとしました。

企業は、従業員の能力開発に取り組まなければ、彼らを信頼することは出来ないとし、これからのビジネスの成功は、これまで以上に働く人の能力に関わってくるとしました。

 

新しいモラールの契約

ゴシャールは、企業と従業員で、

「新しいモラールの契約を結ぶ必要がる」

と、しました。

これまでは従業員は企業の指示に従い、企業は雇用の保証を与えるものでした。

しかし、1980年代から1990年代には状況が変化し、人員削減などにより雇用の保証がないがしろにされ、顧客中心主義のマネージメントにより、従業員は更なる自発的努力が求められました。

「新しいモラールの契約」は、雇用される能力の向上と、肩書きのある職務を提供するものを基本としました。

企業の業績はトップの能力だけでなく、全従業員の自発的努力、創造性、技能から生まれる、経営哲学としました。

この考え方は新しいものではなく、インテルなどではすでに実践されてるもので、ゴシャールは、それを大きく世に広めました。

 

まとめ

ゴシャールは、

「政治家は環境を作るものであって、価値を生み出すものではない。価値は企業とマネージャーが生み出すものだ。」

と唱え、マネージャーは社会的職業の中で最も重要であると考えました。

その考えが、いまの経営の道筋を作った素晴らし人物です。